クリスマス

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マーガレット

実

クリスマスはキリストの生誕を祝う日です。キリスト教徒にとっては復活祭と並び最大の祭日で、その前夜に当たる24日はクリスマスイブとしてミサを執り行い、キリストの降誕を静かに祝い、祈ります。「クリスマス」という言葉は「キリスト」+「マス(ミサ)」に由来します。
 サンタクロースは子供を守護する聖人ニコラウスに由来し、煙突から入って子供の靴下にプレゼントを入れるというストーリーは主に米国で広まりました。
 日本における最初のクリスマスは、安土桃山時代であった1552年に、周防国(現在の山口県)にポルトガル人宣教師コメス・デ・トルレスたちが日本人信者とともにキリスト降誕のミサを行ったことと言われています。
 その後は江戸幕府がキリスト教を徹底弾圧したことから、一時下火になり、再び日本でクリスマスが受け入れられるようになったのは明治時代になります。この頃には商業的な宣伝活動が始まり、とりわけ日露戦争後には盛んになったようです。戦後の日本では、GHQが日本への復興支援としてクリスマスのイベントを開催しました。徐々に各家庭でもクリスマスを取り入れるようになり、子供にプレゼントを贈るなどして、日本でもサンタクロース神話が生まれました。
 クリスマスにはキリスト教徒でない日本人の間でも、このときとばかりクリスマス気分に酔いしれ楽しみます。その異文化の取り入れ方に違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それも日本人が一神教ではなく、古代より八百万の神を崇拝し、自然とともに生きてきて、あらゆる文化を受け入れる土壌を持つ民族気質だからではないでしょうか。
 さて、クリスマスツリーといえば一般的にはもみの木(マツ科)ですが、そもそもはドイツで使われ始めたのが発端です。その別名ドイツトウヒともいいます。身も凍る寒い冬に、唯一落葉せず青々としているもみの木が「聖なる緑の木」「永遠の緑の象徴」と位置付けられ、広く使われるようになりました。現在は国産では山梨県産、輸入品では米国のオレゴンで作られたもみの木が有名です。

クリスマスカラー
 クリスマスを象徴する色は赤・緑・白の3色。誰でもクリスマスのイメージから自然に思い浮かべる色だとは思いますが、それぞれの色には次のような意味があります。
赤・・・愛、キリストの血
緑・・・永遠の強い生命力
白・・・純白
 赤がキリストの血を象徴することから、クリスマスの代表的な花としてポインセチアが使われるようになりました。

クリスマスとヤドリギ
 西洋ではクリスマスの飾りとして多用されるヤドリギですが、そもそもは先住民であるケルト人が、オークの木に寄生ヤドリギを聖なる植物として崇めていたことに始まります。ヤドリギを祭壇に捧げ、お守りを作って大切にし、ヤドリギは幸福をもたらす植物として神聖視されていました。
 欧米ではクリスマスの日に恋人同士がヤドリギのしたでキスをすると永遠に結ばれるという言い伝えもあります。
 ちなみに、クリスマスローズはその名こそクリスマスと付きますが、市場に多く流通しているものはヘレボルス・オリエンタリスといって、開花期は2月から3月です。クリスマスローズと呼ばれる所以は、原種のヘレボルス・ニゲルがクリスマス期に開花するからです。「ローズ」と付くのも、クリスマスの寒い時期に、バラのように美しく咲くことからのようです。「ローズ」と付くからといってバラ科ではなく、キンポウゲ科です。

クリスマスにお勧めの花

各種染め、ラメ、塗り商材、 赤芽柳、晒しミツマタ、モミ枝

ヤドリギ
 ヤドリギの種類は数知れず、海外にも美しい品種が多数ありますが、寄生植物のため、日本には輸入できません。
日本に流通しているヤドリギは全て国産で、生産者さんが腰にハーネスを付けたりして木に登り、一つ一つ採ったものです。
西洋ヒイラギ(クリスマスホーリー)
 キリストの受難を象徴する植物として、こちらもクリスマスには欠かせないアイテムです。常緑の葉は永遠の命を、また赤い実はキリストの血を象徴するとされています。
アマリリス、フランネルフラワー、レースフラワー、フリチラリア、シルバーミスト、コチア、コットンツリー、バーゼリアなど

2010年 大田市場花き部仲卸協同組合 青年部

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